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仁左様、最後の与兵衛

 夜の部のご報告だけでもと・・・

四、女殺油地獄
  片岡仁左衛門
  一世一代にて相勤め申し候

河内屋与兵衛     仁左衛門
豊嶋屋お吉        孝太郎
山本森右衛門      彌十郎
娘お光              千之助
小栗八弥           新 悟
妹おかち            梅 枝
刷毛の弥五郎      市 蔵
皆朱の善兵衛      右之助
兄太兵衛           友右衛門
父徳兵衛           歌 六
芸者小菊/母おさわ 秀太郎
豊嶋屋七左衛門    梅 玉

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 今月の公演中も進化し続けたという仁左様の与兵衛を拝見してきました。花道の出と引っ込みが見たくて、花道の横の揚幕に近いお席を取ってみましたが、最後に揚幕に消えてゆかれるまで、与兵衛を拝見できて、胸がいっぱいになりました。

 幕が閉まっても拍手は鳴り止まずに、劇場中が鳴っているようでした。一度だけ幕があき、お吉が殺された豊嶋屋の有様をもう一度。
 暗い舞台に油が滴り、床はぬめぬめと妖しく光を映し、惨劇の跡を留めておりました。そして幕が閉まり・・仁左様の与兵衛は観客の記憶の中に沈み込んでいきました。

 幕が閉まってからでもまだ拍手は鳴り止まず、場内のアナウンスで何を言っているかが聞こえないくらい。それでも徐々に収まって、こんどは花道のそばに寄って、油の跡を眺め、写真にとる観客たち。どら猫も混ざって、写真を撮ってきました。

 封印された与兵衛は、私の心に深く沈んでゆき、時には奈落の底から浮かび上がってくるように、思い浮かべることになるのでしょう。最後の花道を逃げ去ってゆく与兵衛のあの怯えたお顔が瞼の裏に焼きついたようでした。

 

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コメント

>スキップ様
 コメント、ありがとうございます。拝見した時のご報告だけになってますけど、感想はもう何も言うことはないだろうという気持ちです。
 最後の与兵衛を近くで拝見できたらそれでもういい。そんな感じです。
 この時代にいて、仁左様の一世一代を拝見できたことは本当に幸せだと思います。

投稿: どら猫 | 2009年7月 6日 (月) 07時45分

どら猫さま
千穐楽の与兵衛、ありがとうございました。
孝夫時代からご覧になっていたどら猫さんならではの
感慨溢れるレポ、心にしみ入りました。
仁左衛門さんの一世一代は、永遠に語り継がれるものと
なるでしょうけれど、その場に居合わせることのできた
私たちも本当に幸せでした。

投稿: スキップ | 2009年7月 6日 (月) 02時00分

>ぴかちゅう様
 コメントとTBをありがとうございます。お返事が遅れましてごめんなさいね。
 一世一代ということで、今回はじめてご覧になられた方も多いようです。ご覧になられて正解だと思いますけど、受け止め方は人それぞれ。今後の若手のお芝居には指導をなさるでしょうけど、どら猫もしばらくは余韻だけをかみ締めたいと思ってます。こちらからもTBさせて頂きますね。

投稿: どら猫 | 2009年7月 5日 (日) 08時12分

>みゆみゆ様
 お返事が送れてすいません。コメントを有難うございます。
 楽日だからということもないのでしょうが、渾身の与兵衛だったと思います。覚悟を決めて、一度だけと楽日に行ってきました。行ってよかったです。
 仁左様のどら息子とはお別れですが、心に残るお別れになりました。

投稿: どら猫 | 2009年7月 5日 (日) 08時09分

>かしまし娘さま
 コメントとTBをありがとうございます。お返事が遅くなりすいません。こちらからもTBさせて頂きますね。
 >距離があれども記憶はひとつ!
>のような気がします。
 そうですよ。距離なんて関係なくて、記憶に残るのは同じものだと思います。きっと、かしまし娘さんも「ふっと浮かび上がる記憶」ってあるでしょうし。

投稿: どら猫 | 2009年7月 5日 (日) 08時05分

千穐楽の夜の部を観ていました。昼と夜の間にすれ違っていたかもしれませんね(^^ゞ
さて、私は21日に最初で最後の仁左衛門与兵衛の観劇でした。先に文楽で観ていて歌舞伎は初めてでしたが、それぞれにいいですね。
やあり仁左衛門丈が40年以上かけて育てたお役というだけに本当に困った甘えたぼんぼんなのに妖しい魅力があって、素晴らしかったです。
しばらくこの演目は封印したいなぁ。

投稿: ぴかちゅう | 2009年7月 3日 (金) 23時38分

楽日の与兵衛、やっぱり凄かったんですね。
私が見た時もとても印象的でしたが(初見だったからかもしれません・・・)

私たちの記憶に沈んでいく・・・与兵衛でしたね。
最初で最後の1度きりの仁左さまの与兵衛でしたが見にいけてよかったです。

投稿: みゆみゆ | 2009年7月 3日 (金) 22時36分

どら猫様
劇場に行った全ての人の脳裏に、瞼の裏に、
そして心に…
ガッツリ残る仁左衛門の与兵衛。

どら猫さんが観たアップの顔と、
私が観た3階席からの顔。
距離があれども記憶はひとつ!
のような気がします。

>時には奈落の底から浮かび上がってくるように、
思い浮かべることになるのでしょう。
ジ~ンときた…(泣)

投稿: かしまし娘 | 2009年7月 3日 (金) 18時05分

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» 09/06/21 歌舞伎座昼の部?仁左衛門の一世一代の「女殺油地獄」 [ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記]
{/star/} 「片岡仁左衛門一世一代にて相勤め申し候」が外題の後につく特別の公演。少しずつ書き足している間に案の定長くなってしまったので、斜め読みでも時間のある時にでもお好きな読み方でお願いしますm(_ _)m {/dogeza/} 【女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)】近松門左衛門 作 公式サイトよりあらすじと今回の配役を以下に引用、加筆。 「河内屋の放蕩息子与兵衛(仁左衛門)は、馴染みの芸者小菊(秀太郎)の客に喧嘩を売ろうと、善兵衛(右之助)や弥五郎(市蔵)と共に待ち構えている。 豊嶋... [続きを読む]

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