「孫右衛門の巻」
う~、忙しくて一日空いてしまったが、今日は「孫右衛門の巻」の感想を書くことにしよう。
「恋飛脚大和往来」はそれなりに上演されるので、なじみ深い演目のひとつだろう。「封印切」と「新口村」の稽古、本舞台の様子が映し出されている。
冒頭は写真集「風姿」が出版された時のインタビューの様子だった。もう、視力はほとんどおありにならないので、横から奥様たちがどんな写真かを説明なさっていた。それでも、目を近づけて熱心にご覧になっていたのが印象に残る。
映画のときのお名前で書かせてもらおう。そのほうが解りやすいと思うので。
封印切は孝夫さんの忠兵衛に我當さんの八右衛門、十三代目さんの孫右衛門、雀右衛門さんの梅川と豪華だ。
封印切の忠兵衛と八右衛門のやりとりは軽妙で、違和感のない関西弁のやり取りでテンポがいい。やっぱりこういう場面は関西の役者さんだと、雰囲気がいいなぁ。
お稽古のときに孝夫さんが三味線に注文をつけておられたが、お父様と同じように口三味線で「こんな感じでやって!」というのが、親子だなと思わせる。
今でも、黒御簾の人たちや三味線引きの人たちは、当代、仁左衛門さんのときは神経を使われるんだそうだ。(裏話で聞いたことが・・)
十三代目さんのご自身の稽古の様子も写っているが、舞台の広さを感覚で覚えようとなさっていて、その時の足取りはおぼつかないのに、本舞台になると、見違えるようになるのだな。信じられないくらい。
情け深い孫右衛門と、梅川のやり取り、忠兵衛との別れの場面ではもうノックアウトされて、ハンカチを握り締めていた。逃れていく二人を見送る場面など、もう涙が溢れて仕方が無かった。
最近は当代が孫右衛門と忠兵衛の二役をなさることも多いが、まだ、忠兵衛だけにしておいていただきたい。先はながいのだもの、まだ早いと思うのだけど。
ちなみに「平作も好きでやりたい」と仰せだが、これはもっと後にして下さいませ。確かに勘三郎さんは今の若さで演じられたけど、仁左衛門様(当代)はまだ、止めておいてくださいませね。
中座での公演のときは、孝夫さんと秀太郎さんのお二人が、忠兵衛と梅川。この梅川はとても愛らしかった。
さて、残すは「登仙の巻」だけだ。そして、この巻が一番、長丁場なのだ。そろそろ、お尻は痛いし、目もしょぼついてきたが、気力で頑張った。
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