繻子の靴 観劇メモ3
もう、いい加減にしろといわれそうだが、仕事をしてても思い出すくらいに印象的だったので、もう少しだけ感想めいた迷文をつづってみたい。
概念的なことはとりあえずおいといて(頭の片隅に)、お芝居の流れ的に思い出してゆくと、バスのための遅刻が致命的なことがわかる。最初がわからないから余計に???の状態でみていた時間が長い。
萬斎さん@ドン・ロドリックと後藤さん@ドニャ・プルエーズはお互いに一目ぼれで、お互いに相手のためにこの世に存在していると思うほどに愛し合ったらしい。そして、駆け落ちをしようとのドニャ・プルエーズの言葉に従い、出発したドン・ロドリックは何かの戦いにまきこまれ、大怪我をして母親の館で体を養っている。
すぐ近くまで来ながら、ドン・ロドリックにはこの世ではもう二度と会わないと決めているドニャ・プルエーズ。どうやら彼女は、この愛を精神世界(宗教の世界かな)で成就させることを決心したらしい。
夫の残した責務を果たすために必要な男、異端のドン・カミーユと結婚して、子供まで儲る。しかし、子供はドン・ロドリックにしか似ていないのだそうだ。
ドン・ロドリックは新世界へと旅立ち、残忍な支配者として君臨する。しかし、心にはドニャ・プルエーズへの渇望が渦巻いている。その渇望を新世界の征服へと向けているようだ。
そこへ、10年前に、ドニャ・プルエーズが出した手紙が届き、なにをさて置いてもと彼女を得ようと、出発していく。
そして、彼女が司令官を勤める島を攻めるが、彼女は子供つれて使者としてあらわれ、一緒には行かないと、要塞を爆破してしまうので、立ち去って欲しいと言い残し、ドン・ロドリックの懇願には耳をかさずに、永遠に立ち去ってしまう。
さらに10年後、ドン・ロドリックは陥れられ、足を失い、地位も名誉も全て奪われて、二束三文の奴隷に落としめられる。そして、船で搬送されているときに、修道女に願って、聖女(と勝手に思った)に仕えたいから、買い取ってくれと頼むのだ。
これにからんで、ドニャ・ミュジークとナポリ王の恋物語、ドニャ・プルエーズの娘とドン・ファン(ホアンであろうか)の恋物語が語られている。
とりあえず、話しの内容がわかりにくかった初めのところから、台詞の美しさに惹かれてしまって、うっとりとした。すじがわからないことよりも、言葉の美しさに酔ったといってもいい。
萬斎さんの声と、表情の不思議な美しさに高揚し、後藤さんの難解な、しかし美しい台詞に、つむぎだされる世界に引きずり込まれた。
未だになんであんなに感動できたのかを自分でも理解できないが、本を読んで、ゆっくりと考えてもう少し物語の理解を深めてから再見してみたいという思いが強い。
久しぶりに五感をゆすぶられたお芝居だった。
きっと、読まれた方は、「何のこっちゃ」と思われるだろうが、表現能力の低さゆえのこと、お許しくだされ。本当にお芝居は素晴らしかったのです。
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