四月歌舞伎座夜の部 感想二
遠征の感想の最後となる、「勧進帳」。これが目当てで慌しい遠征を目論んだのだ。行って良かったとつくづく思っている。3階7列め上手寄りから拝見した。
二 勧進帳
武蔵坊弁慶、仁左衛門・富樫左衛門、勘三郎・
亀井六郎、友右衛門・片岡八郎、権十郎・
駿河次郎、高麗蔵・常陸坊海尊、團蔵・
源義経、玉三郎
幕が開き、富樫の名乗りの後で、一階から拍手が響いてきても、しばらくな何も見えません。お声だけを聞いて以前観劇したときのお姿を思い浮かべて、しばしの我慢。
やっと、皆さんのお姿が見えて三階からも大きな拍手が起こる。どら猫ももちろんだが。仁左衛門様の弁慶を拝見するのは、二度目か三度目だと思う。お姿は堂々として立派だし、お声もひくいつくりかと思えば、しっかりとはったお声も聞かせてくれる。緩急がいいですね。そして、もうただひたすらに主君、義経を無事に奥州に落とすことを考えている。富樫とのやり取りも、できることなら平穏に通れればいいがと願うのが見て取れる。
勧進帳を読み上げるところでも、気負わずに淡々と読み上げてくれるので、内容がわかりやすくほとんどが聞き取れる。ちゃんと聞くとなかなかの名文ではないかと思うのね。
山伏問答も、本職がお坊様なのだから堂々としたもので、余裕を感じさせるところが好きだね。富樫を説得できて、関を抜けようという時に、合力が義経に似ているとて留められた時に、主君を救うためにはこれしかないと思い極めて、金剛杖で打つところなど涙がこぼれてしまいそうになる。見ているだけで、切ないのだ。その様子を見て、関を通すことを決意する富樫。ここまでが一気呵成に演じられる。
義経がたち、四天王がそれぞれの位置をしめる間に観客も再度息を整える。
弁慶が義経の前にすすむところの、あの恐れはどうだろう。関を通る手段とはいえ、主君を打ち据えた後ろめたさ、後悔、申し訳なさが体中から溢れ出ている。それを見つめる義経の目の温かいこと、やわらかいこと。「判官、お手を」のところで飛び退って泣き上げるところで、またもや涙が・・。最近の勧進帳で泣いたことなかったのになぁ。
やれ嬉やと出発しようとするところへ、富樫が一献と登場えしてくる。酒を飲むところを大げさにやる人が多いが、手順はしっかりと踏んでいるが淡々としているのがいいと思う。延年の舞も取り立てて素晴らしいというわけではないけど、端正だと思う。そして義経を落とせと扇で知らせて、義経と四天王が早足で花道をひっこんでからの弁慶の感謝の念が込められた一礼の重いこと。これで、また息が普通につけるようになった。
残念なことに飛び六法での引っ込みはちゃんとは拝見できない。この場面も前回の場面を頭でリピートしてた。
友人が前回の勧進帳を拝見したあとで、「仁左衛門様の弁慶は愛の人」だと言っていましたが、その気持ちが判ります。本当に義経を大切に思い、命がけで助けようとしているのがよく判る弁慶です。舞台上では主役ですが、思いは常に主君のうえにある。
玉様の義経を拝見するのも二度目になるのかな。控えて座っている姿は気品があって、隅々まで神経の行き届いたピーンとしたお姿だ。杖をもつ手がまたお美しい。女形の人が義経をおやりになる時のくにゃとした感じはあまり無かったように思うが、贔屓目かもしれない。為所の少ないお役だけど、最後の引っ込みも見たかったな。
四天王も重厚な雰囲気で大人の勧進帳だった。團蔵さんの常陸坊も貫禄があっていい感じ。豪華な四天王だ。
勘三郎さんの富樫、見た目は綺麗で前半はよくがんばっておられたが、山伏問答のあたりから、声が少し変になってきた気がする。時代物は声の使い方が違うから、のどを痛められたかな。どら猫的にはこの富樫役はいまひとつ物足りないきがした。まだ演じた回数が少ないはずなので、今後に期待することにしようか。
久方ぶりに、ハンカチのいる勧進帳を拝見することができて、大満足。
26日は花道の見えるお席で拝見できるので、それもとっても楽しみ。(^^♪
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【歌舞伎十八番の内 勧進帳】
今回の配役は以下の通り。
武蔵坊弁慶:仁左衛門 源義経:玉三郎
富樫左衛門:勘三郎 太刀持:鶴松
亀井六郎:友右衛門 片岡八郎:権十郎
駿河次郎:高麗蔵 常陸坊海尊:團蔵
{/kirakira/}{/kirakira/}{/kirakira... [続きを読む]
受信: 2008年4月28日 (月) 00時25分


コメント
>ぴかちゅう様
はい!楽日の夜の部は2階の東桟敷におりました。
花道は少々遠いですが、とてもよく見えましたので、
大満足でございました。花道での弁慶の義経への
仕え方も珍しい型ですが、仁左衛門様が演じられると
まったく違和感がありません。
>シネマ歌舞伎とか何かで記録していて欲しいです。
まったく同感ですね。舞台は生が一番とは言え、こんな
素晴らしい舞台の記録が残らないのは勿体無いです。
しばらくは、「勧進帳」は見たくないというのが正直な
ところです。
投稿 どら猫 | 2008年4月30日 (水) 01時58分
どら猫さん、同じ千穐楽の同じ場にいたんですね!感想をTBさせていただいていましたが、成功していてよかったです。
主君オーラの玉三郎義経と忠臣オーラの仁左衛門弁慶のこの主従の絆を見たら、熱血漢の勘三郎富樫は自分の命を投げ打つしかないなぁという「勧進帳」で、観ているこちらも泣けました(T-T)
滅多に観られないゴールデントライアングルキャストの今回の公演、シネマ歌舞伎とか何かで記録していて欲しいです。記録していないのは歴史的損失です。
投稿 ぴかちゅう | 2008年4月30日 (水) 01時50分
>スキップ様
コメント&TBを有難うございます。
松竹座での「勧進帳」はご覧にならなかったのですね。
というか、そのころはまだ歌舞伎はご覧になってなかったんでしたっけ?
他の役者さんの弁慶よりもずっと、主従の関係がはっきりとしていますし、主を思う気持ちが切ないくらいに感じられる、仁左衛門様の弁慶が大好きです。
帰宅したら、また感想を書こうと思いますが、感極まってしまって、メロメロかもしれません(^^♪
投稿 どら猫 | 2008年4月25日 (金) 03時13分
どら猫さま
「勧進帳」観てきました。
私は仁左衛門さんの弁慶は初めてだったのですが
とてもすばらしかったです。
まさに「愛の人」-義経を思う気持ちがあふれて
いましたね。
千秋楽もご覧になるのですね。うらやましい。
レポ楽しみにしています!
投稿 スキップ | 2008年4月25日 (金) 02時57分
>みゆみゆ様
コメント&TBを有難うございます。
熱い感想を読ませていただいて、感激を新たにしました。
楽日の弁慶を拝見してきたら、また感想を書くと思いますので、よろしければご覧になって下さいませ。
TBさせて頂きました。
投稿 どら猫 | 2008年4月25日 (金) 02時14分
こんばんは
私も「勧進帳」見てきました。(昼夜通しでしたが一番のお目当てはこれです!!)
とてもすばらしい弁慶でしたね!!
私はもう日程的に無理なので26日楽しんできてくださいね!!
(TB送信させていただきました。)
投稿 みゆみゆ | 2008年4月25日 (金) 00時45分
>yae様
おはようございます。コメントを有難うございました。
「またかの関」と言われるくらいくらいかかる「勧進帳」ですが、今回は本当に涙を誘われる「勧進帳」でした。
物語がくっきりとして、主従の物語だということがよくわかります。仁左衛門様は弁慶役者ではないので、たびたび拝見することは叶いませんので、目に焼き付けておきたいです。26日は本当に楽しみです。yae様もいらしてるんですよね。
投稿 どら猫 | 2008年4月19日 (土) 08時37分
どら猫さん、おはようございます。
今月の『勧進帳』、素晴らしいですよね!
>弁慶が義経の前にすすむところの、あの恐れはどうだろう。
今回ほど、主従の関係がはっきり見えたのははじめてでした。
私も、大満足です!!
楽もご覧になるのですね。
お気をつけていらして下さいね!
投稿 yae | 2008年4月19日 (土) 07時56分